先日、読者様よりお悩みのメッセージを頂きました。
以下の内容です。
「初めまして。突然で申し訳ありません。
5歳からバイオリンを習い始めて、今12歳(中1)の息子がおります。
今春、中高一貫校に進学しまして、中学受験中でも、練習を続けましたが、
最近になって、急にやる気を失いました。
練習不足で、当然先生に怒られます。怒られて、また練習したくないという悪循環に陥ってます。
今はスズキ第5巻です。
曲の難易度を下げるのが可能かどうか、先生に相談したところ、
下げると技術も下がるので、レッスンに来る意味がないとのことでした
音大やプロを目指しているではない人に
どの程度の技術を求めているのか、よくわからなくて、
息子からすると、音楽を楽しみたいということなのに、
今は苦しくて、ストレス発散のところか、ストレスたまってます。
このまま辞めたくもない、難しいこともしたくない
という中途半端な境地に
りり先生のご意見、アドバイスを頂けたら幸いです。
よろしくお願いいたします。」
メッセージありがとうございます。
このようなお悩みの学生さんや保護者様、また大人の方でも自身のやりたい方向性のレッスンについてモヤモヤされている人のお悩みは過去にお伺いしておりました。
今回お読みいただいている人の中には、当てはまる!という人がいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、こちらの質問者様に私なりのメッセージをお伝えしたいと思います。
このような時どうしたらいいの?
では、まず結論からお伝えいたします。
それは、
「ご自身が進みたい目標や方向性を決め、必要であれば環境を変えるべし!」
ということです。
まず、今回の文面から、息子様とバイオリンの先生との方向性が違うように感じられます。
息子様が急にやる気を失ったのはなぜかを考えてみましょう。
「目標とする曲がないのか?」
「発表会などのイベントが終わって燃え尽きてしまっているのか?」
「練習する気にならないのか?」
色々あると思います。
ただ、辞めたいでもなく、音楽を楽しみたいという気持ちがあるとのことなので、私は続けてもらいたいなと思います。
では、ここから私が結論にお伝えした、「ご自身が進みたい目標や方向性を決め、必要であれば環境を変えるべし!」とお伝えする理由を順番にお伝えしていきます。
双方の方向性の問題
私が感じ取れたのは、息子様と先生との方向性が違うという点です。
例えば、息子様は「楽しく弾きたい!」と思っているのに対し、先生は「テキストをどんどん進めてもっと技術面を伸ばしたい!」と思っていると、お互いの相違が生まれます。
先生にも色々なタイプの先生がいらっしゃいます。
コンクール輩出に特化した先生、
音大合格に得意とする先生、
クラッシック専門で演奏される先生、
ポップス演奏を得意とされる先生、
普段は演奏家で時々指導されている先生、
子供中心に指導される先生、
大人中心に指導される先生、
初心者、ブランクの人に特化の指導をされる先生など。
様々です。
例えばわかりやすい例でお伝えすると、ジャズを専門に弾きたくて習ったAさんが、クラッシック専門で演奏される先生に習ってもジャズの弾き方としては上達しません。
なぜなら、クラッシックの弾き方とジャズの弾き方は全然違うからです。
もちろん基本的なことを習得するにはクラッシックの先生に教わるのは良いことですが、拍の取り方、弾き方が全く違います。
音楽でもジャンルがあり、専門ジャンルの先生がいらっしゃいます。
登山が好きな人が、登山に行くのに、装備はビーチサンダルを履いて海の格好をしているようなものです。
登山に行くなら登山靴などしっかりと防備しないといけないですよね。
ですが、目的地が違うビーチサンダルを履いていると、歩きにくいし最後まで山に登ることはできません。
これと同じことが言えます。
ですので、息子様は小さい頃から弾いているとある程度、どのような曲を弾いてみたいのか、などの方向性はお分かりかと思います。
まずは方向性を決めましょう!
指導者の現状を目の当たりに
では、次は先生についてお伝えしていきます。
多くのバイオリンの先生は、自分の指導して頂いた恩師の影響を少なからず受けています。
ですので、教えてもらったテキストを使って教えるケースが多いと聞いております。
私は以前、指導法セミナーに参加したことがあります。
その時に、自身の教えてもらった内容をそのまま指導するのは良くないと学んだ経験があります。
なぜなら、生徒さん個々によって目指すべき方向性が違うからです。
音大を目指すための指導と、将来楽しみながら音楽を学ぶための指導は違います。
なので、自身の教えてもらった方法をそのまま生徒さんに指導するのはナンセンスです。
私が参加したセミナーですが、この時参加していた先生方はピアノの先生がほとんどで、バイオリンの先生は私ともう一人の先生だけでした。
ここからも、バイオリンの先生が自身の技術や演奏以外にも、指導法を学ばれている先生がまだまだ少ないのが現状となっています。
ちなみに、当時そのことを学んだ私は、バイオリン学習の先入観を取り除くことができました。
今となっては指導に活かすことができており、大変良い学びだったと感じております。
バイオリンを楽しむために大切なこと
以上のことから、ご自身の合った先生を選ぶのが近道ともいえます。
もし最初は不安であれば、体験レッスンで実際に体験やお話をし、先生との相性を見るのが良いでしょう。
この教室はどのような方針で指導されるのか?なども保護者様はじっくりと検討されるのが良いと思います。
そして何よりも、息子様ご本人が、「何をやりたいか?」「今後どのような曲を弾いてみたいのか?」をしっかりと決めて、そのためには「このようなことを学びたいな」、「このような先生がピッタリだな」と見極めることが大切です。
音楽を楽しみたい人に向けて伝えたいこと【まとめ】
今回は、お悩みについてお答えいたしました。
いかがでしたでしょうか?
レッスンについてのお悩みはよく頂きますので、おそらく今回の内容で気になった方もいらっしゃるかもしれません。
今回はあくまでも私のアドバイスにはなりますが、ご自身に合ったスタイルと環境でバイオリンを続けて頂ければと思います。
今回の記事が少しでも参考になると幸いです。
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